アメリカのLaw Journal, News
Paper等、インターネット上から得た情報を簡潔に載せました。情報源はLink Indexに載せてありますのでご参照ください。特に興味ある事項は、別の項目に詳細を記載しました。極力より多くの雑誌等に目を通すように心がけていますが、時間の都合で無理なことが多いです。従って、漏れが多々あることをご承知おきください。
IP News à 10/22/2002
今年の1月にCAFCで出された、Prosecution laches(出願手続きの懈怠)を認めたSymbol Tech., Inc. v. Lemelson事件は、Lemelsonにより米国最高裁に裁量上訴が提出されていましたが、10月7日、最高裁は裁量上訴の受理を拒否しました。これにより、Prosecution laches(出願手続きの懈怠)の抗弁が存在することが、確定しました。なお、この事件でProsecution lachesにより特許の権利行使不能であるか否かについては、現在地裁で審理中です。
IP News à 09/29/2002 更新 (10/02/2002 加筆、10/04/2002 情報更新)
9月26日に、再審査に関する改正法案を含んだ下院の法案(H.R.2215)が下院を通過しました。そして、10月3日に、上院がH.R.2215を承認しました。これは、IPに関するいくつかの改定法案を含んでいます。あとは大統領の署名を待つことになりますが、署名されて法律となるのは確実と思われています。
なお、今回の法案に含まれている再審査に改正の内容は、以下の2点です。
(1)In re Portola Packaging Inc.の判決(特許庁で考慮された資料の再審査での利用の制限)を法律により覆す法案。つまり、審査過程で引用された先行技術のみに基づいてであっても、特許性に関する新たな実質的な疑問に基づいて再審査を請求できる。なお、新しい法律の適用は、法律が施行された日以降の審判部の決定に適用されます。
(2)第三者も特許庁審判部の再審査の決定に対して巡回区控訴裁判所に控訴できるとする法案。なお、新しい法律の適用は、法律が施行された日以降に始まる再審に適用されます。
IP News à 08/08/2002 更新
Hatch-Waxman Act の改定法案
Hatch-Waxman Actを改定する法案(S. 812)が、7月31日に上院を通過しました。改定の内容の主な点は以下の通りです。
1. 先発メーカーがFDAの認可を受けてから30日を超えて、FDAのオレンジブックにリストアップされた特許に関しては、後発メーカーによる特許無効又は非侵害のCertificate提出後の45日以内に、先発メーカーは差止め請求ができる。但し、先発メーカーがこの期間に差止請求をしなかった場合は、後発メーカーが市場に製品を投入した場合の差止請求の権利を放棄したことになる。
2. 先発メーカーに対して特許の無効性又は非侵害を主張してFDAに認可申請を行なった第一の後発メーカーに対して、180日の独占的権利(第二またはそれ以降の後発メーカーは、第一の後発メーカーが製品を市場に投入してから180日間は製品を市場に出せない)が与えられるが、もしその第一の後発メーカーによる製品の市場への投入が遅れた場合はその180日の独占的権利は没収される。(先発メーカーと第一の後発メーカー間の同意で、製品の市場への投入が遅れた場合等)。
3. FDAの認可申請行なう後発メーカーは、オレンジブックにリストアップされている特許を削除することに関して、民事訴訟を起こすことができる。(現在は、CAFCの判決により、Hatch-Waxman Actの元で先発メーカーと後発メーカーの間で起こった訴訟において、オレンジブックの訂正を裁判所に求めることはできないとされている。そのため、オレンジブックにリストアップする特許が現実に先発メーカーの製品をカバーしていない場合でも、先発・後発メーカー間の訴訟においてその訂正を求めることはできない。)。
IP News à 07/15/2002 更新
特許庁の予算に関する法案(特許庁の予算は特許庁が徴収した料金と同じとする法案)が6月26日に上院を通過しました。この法案(H.R. 2047)には、昨年下院を通過し、今年の6月20日に上院の司法委員会の同意を得た、再審査に関する改正法案(H.R. 1866とH.R.1886)が取り込まれています。従って、昨年注目を浴びた再審査に関する改正法案が上院を通過しました。改正の内容は、以下の2点です。
(1) In re Portola Packaging Inc.の判決(特許庁で考慮された資料の再審査での利用の制限)を法律により覆す法案 (Section 5)。
(2) 第三者も特許庁審判部の再審査の決定に対して巡回区控訴裁判所に控訴できるとする法案(Section 6)。
問題の部分の抜粋は以下の通りです。
(a) IN GENERAL-
Sections 303(a) and 312(a) of title 35, United States Code, are each amended by
adding at the end the following: `The existence of a substantial new question
of patentability is not precluded by the fact that a patent or printed
publication was previously cited by or to the Office or considered by the
Office.'.
(b) EFFECTIVE
DATE- The amendments made by this section shall apply with respect to any determination
of the Director of the United States Patent and Trademark Office that is made
under section 303(a) or 312(a) of title 35, United States Code, on or after the
date of the enactment of this Act.
(a) APPEALS BY
THIRD-PARTY REQUESTER IN PROCEEDINGS- Section 315(b) of title 35, United States
Code, is amended to read as follows:
`(b) THIRD-PARTY
REQUESTER- A third-party requester--
`(1) may appeal
under the provisions of section 134, and may appeal under the provisions of
sections 141 through 144, with respect to any final decision favorable to the
patentability of any original or proposed amended or new claim of the patent;
and
`(2) may, subject
to subsection (c), be a party to any appeal taken by the patent owner under the
provisions of section 134 or sections 141 through 144.'.
(b) APPEAL TO
BOARD OF PATENT APPEALS AND INTERFERENCES- Section 134(c) of title 35, United
States Code, is amended by striking the last sentence.
(c) APPEAL TO
COURT OF APPEALS FOR THE FEDERAL CIRCUIT- Section 141 of title 35, United
States Code, is amended in the third sentence by inserting `, or a third-party
requester in an inter partes reexamination proceeding, who is' after `patent
owner'.
(d) EFFECTIVE
DATE- The amendments made by this section apply with respect to any
reexamination proceeding commenced on or after the date of the enactment of
this Act.
IP News à
06/22/2002 更新 (06/24 一部訂正)
算定表の期間延長料金が一部間違っていましたので訂正しました。失礼しました。改定案では、1月ごとに延長料金を払う形に変わっています。つまり3ヶ月延長するためには、3つのペティションを提出しなければなりません。そのため、3ヶ月延長するためには1月ごとにペティションを提出しなければならなくなりそうですが、その辺りのことは詳しくは説明されていません。
特許関係の料金改定6月21日に、米国特許庁(ローガン長官)が特許関係料金の料金改定(2002年10月1日より適用)の案を提出しました。今後、議会に掛けられ審理されます。案は、
http://www.uspto.gov/web/offices/com/strat2001/USPTO_Fee_Leg_and_Sect_Analysis.pdf
でご覧になれます。その案は、驚くべき料金の値上げにつながっています。
特に注目すべき改定の大きな点は以下の通りです:(1)審査請求料($1250)の新規な開設、(2)高額な請求項加算料(21~25項までは$80/クレーム、26~30項までは$160/クレーム、31~35項までは$320/クレーム、36~40項までは$640/クレーム、41項以降は順次加算(5項おきに前の料金の1.25倍))、(3)ダブルパテンティングを回避するためのターミナルディスクレーマーは$10,680。その他、個々の料金が値上げされています。特に請求項が多い化学・バイオ関係の出願が多大な影響を受けると予想されます。なお、改定案の料金は、2002年10月1日現在で、維持されている全ての特許および継続中の全ての出願に適用するという案になっています。
改定により必要な費用にどのくらい差がでるかを確認するためにモデルケースで料金の算定を試みました。算定表へのリンクはこちら。
05/22/2001 更新
先週、議会のIP SubcommitteeのChairmanであるHoward Coble氏が、再審査に関して2つの改正を含む法案H.R.1866をSubcommitteeに提出しました。今週、Subcommitteeで承認されるでだろうと彼は言っています。その内容は以下の通りです。
(1) 特許性に関して実質的な新たな疑問が存在すること、という再審査の要件は、問題となる特許や出版物がPTOにおいて既に引用されたという事実によっては排除されない。これは、既に引用された文献等は再審査を請求する際の文献にはならない、としたPortola Packaging判決を覆すものです。
(2) 当事者系の再審査では、第三者もappealする権利を有する。
追加情報:再審査に関するH.R.1866ですが、22日にIP Subcommitteeでapproveされました。従って、法案として議会に提出されることになると思われます。
04/10/2001 更新
昨日(4/9)に、Festo事件のCAFCの判決を不服として、Festoが米国最高裁に裁量上訴のペティションを提出しました。
上訴の理由は、大きく分けて3つあげられています。
1.CAFCのFesto事件の判決は、最高裁が出したワーナージェンキンスの判決に矛盾する。具体的には、(1)ワーナージェンキンスで最高裁は、出願経過禁反言の厳格な適用”rigid
rule”を否定したが、”complete bar”はそれに反する;(2)ワーナージェンキンスは出願経過に補正理由が無い場合は反論可能な推定が働くとしたが、”complete
bar”はその機会を奪っている;(3)補正理由について出願経過が”silent”である場合は禁反言が働くとしている”complete bar”はワーナージェンキンスが示した”反論可能な推定”を”反論不可能な推定”としている;(4)ワーナージェンキンスは、均等論の適用の公平性を強調したが、CAFCが示した”complete
bar”は遡及的に働くので公平性を奪っている;(5)ワーナージェンキンスでは均等論を認め、発明の保護とクレームの不確定性のバランスを取ろうとしたが、CAFCの”complete
bar”はそのバランスを全く異なった方向に進めている;(6)CAFCは、”flexible bar”を機能しないものとして否定したが、ワーナージェンキンスは、それを認めているHughes
I の判決を引用しているBayerの判決を”well-established”な出願経過のルールとして引用している。
2.”complete bar”により、模倣者は、特許のクレームの文言を避ける軽微な変更を許さない均等論を恐れる必要がなくなるので、特許システムに重大が損害を与えるものである。
3.ワーナージェンキンスは、発明の保護のバランスを達成するルールを肯定したが、CAFCはそれに同意せず全く異なった独自の”public policy”を作ろうとしており、それが許される理由はない。
またFestoは、そのペティションの中で、CAFCが出した遡及的に働く”complete bar”は模倣を許し現在有効な120万の特許の保護が非常に傷つけられると述べている。
2/23/01 更新
米国連邦最高裁が、特許に関する裁量上訴が出されていた以下の3件について、2/21に受理するか否かの決定を出しました。
1. CSU, L.L.C. v. Xerox Corp. (2/17/2000 Fed. Cir. 2000) -> 不受理
この事件は、Xerox社が、特許権を持っている部品の販売、著作権のあるマニュアル及び著作権のある機器メンテナンス用のプログラムを、コピー機のメンテナンスを行っているCSUに販売することを拒否し、CU社が、Antitrust法違反で訴えたものである。地裁は、Xerox社の主張を認め、Antitrust違反にはならないと判決し、CAFCは地裁の判決を支持しました。その後裁量上訴がされたが不受理となりました。
2. Pioneer Hi-Bred Int'l, In. v. J.E.M. AH Supply, Inc. (01/19/2000 Fed.
Cir. 2000) -> 受理
特許庁は、今まで一貫して種子産の植物を特許保護対象として認めてきた。その種子産の植物が特許の保護対象なるかがCAFCで争われ、CAFCは、特許法が植物保護法と抵触するとするJEMの主張を退けた。その後裁量上訴がされ受理された。
3. Union Oil Co. Of Cal. v. Atlantic Richfield Co. (03/29/2000 Fed. Cir.
2000) -> 不受理
特許法112条の記載要件が争われた事件である。発明は、無鉛ガソリンに関するのもので、8種の化学的特性を変えることによりクリーンがガソリンを作る方法の発明である。クレームは、成分や分子構造を特定せず、単に、「7.0psi以下のリード蒸気圧」及び「85容量%以下のパラフィン含量」と規定していた。そこで、112条の要件を満たしているか否かが争われたが、地裁は特許は有効とし、CAFCは意見は分かれたが多数意見は地裁の判決を支持した。
2/6
更新
Raymond v. Biomet, (Fed. Cir. 01/17/2001) の判決において、CAFCは、被告が控訴の際懲罰賠償の点は争点として上げていなかったので、被告は懲罰賠償を争う権利を放棄したと判決した。この事件は、1996年に地裁で特許は有効で侵害と判決された、その後、CAFCに控訴され(この際、懲罰賠償については争点としてあげていなかった)、1998年にCAFCは差し戻し判決を出した。その後地裁で再び特許は有効で侵害と判決され、再度CAFCに控訴された。地裁は、特許は有効、特許の故意侵害及び守秘契約違反として、$7,134,000の補償賠償及び$20,000,000の懲罰賠償を認めた。CAFCは、特許の一部を無効としその余は非侵害とし、賠償と実際の損害との必須の関係が示されていないとして、補償賠償を$520とした。CAFCは、逸失利益を不法行為による損害とするのは実際の損害を反映していないので不適当であると示した。しかし、CAFCは、守秘契約違反の懲罰として、$20,000,000の懲罰賠償を認めた。CAFCは、被告が控訴の際懲罰賠償の点は争点として上げていなかったので、被告は懲罰賠償を争う権利を放棄したと判決した。被告は、両賠償の比が38,000:1であるのは、懲罰賠償が不適当であ ることを示していると主張したが、CAFCは、比は不適当か否かを決定する3つの要素の単なる一要素にすぎないとし、被告は争うことをすでに放棄しているとして被告の主張を退けた。
もし、この決定が確定するようなら、これはmalpracticeになると思われます。
1/8/2001
更新
マークマン判決の後でも、クレーム解釈について、約40%のケースがCAFCで覆されているそうです。
http://www.law.com/cgi-bin/gx.cgi/AppLogic+FTContentServer?pagename=law/View&c=Article&cid=ZZZB4UATQHC&live=true&cst=1&pc=3&pa=0&s=News&ExpIgnore=true&showsummary=0
(私見)1995年にマークマン判決によりクレーム解釈は裁判官によりなされると示された後、地裁ではマークマンヒアリングがトライアルの前に行われるようになりました。これにより、クレーム解釈に関しては、確定性の高い安定した判断が示されていると(個人的には)思っていたのでしたが間違いだったようです。